溶連菌感染症について

どんな病気なの?
溶連菌という細菌によって引き起こされる感染症です。ノド(扁桃や咽頭)がこの菌によって炎症を起こしている状態を一般的に溶連菌感染症といいます。

どんな症状がでるの?
発熱。ノドの痛み。イチゴ舌(舌がイチゴの表面のように赤くなる)。赤い発疹(サンドペーパーをかけたようなザラザラした感じ)。咳、鼻水は出ないことが特徴。熱が下がると、指先の皮がむけることがあります。

治療はどうするの?
抗生物質がよく効きます。飲むと2日目には熱は下がります。ただし、合併症を起こさないようにするため、保菌者(他人に感染させてしまう)にならないために、5日から10日間飲む必要があります。よくなっても途中で薬を飲むのを止めないで飲みきってください。

合併症とは? 中途半端に治療したために体の中で残っていた溶連菌と自分の体の成分が免疫反応を起こした結果、次のような合併症が起きます。
1.急性腎炎:溶連菌感染症の2~3週間後、急にむくみが出たり血尿が出ます。免疫反応を起こした溶連菌の成分が腎臓に悪さをします。
2.リウマチ熱:溶連菌の免疫反応成分が、心臓や関節に悪さをします。
いずれの病気もしばらくは入院をして治療することになります。

幼稚園、学校にはいつから行っていいの?
潜伏期間は2~3日ですが麻しんや水痘のような強い感染力はありません。抗生物質をきちんと飲めば2日ほどで殆ど感染力はなくなります。熱が下がって元気があれば登園、登校は大丈夫です。

HEART(H27年10月号):小児ぜんそく、今後どうすれば?

医療情報誌ハートは、郡山市・須賀川市・本宮市の読売新聞福島民友に折り込まれています。

当院から医療のQ&Aを寄稿しています。

※うまく表示されない時は再読み込みを行ってみて下さい。

HEARTH2710

抱っこひもからの子どもの転落に注意

国民生活センターは5月26日、抱っこひもから小児が転落する事例が相次いで報告されているとして注意喚起を発表しました。
イラストで3つの事例を紹介しています
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/pdf/support88.pdf

さらに「ひとことアドバイスとして」以下の4項目をあげています。

*抱っこひもから乳幼児が転落する事故が発生しています。12カ月未満の子どもに多く、特に4カ月以下では入院を必要とする重傷事故が多く発生しています。

*抱っこひもをしたまま前にかがむときは、子どもを必ず手で支えましょう。

*使用する際は、ひもの緩みやバックル類の留め忘れがないかなどを必ず確認しましょう。取扱説明書をよく読み、正しい使い方をすること が大切です。

*抱っこひもでおんぶや抱っこをするとき、降ろすときなどは必ず低い姿勢ででおこうなうようにしましょう

 

手足口病について

原因は?
エンテロウイルスというウイルスによる感染症です。夏カゼの代表的な病気ですが、他に季節にも見られます。

どんな症状が出るの?
病名の通り、手と足と口に発疹が出ます。口の発疹は、唇、頬の粘膜、舌、のどなど口の中のどこにも出来ます。痛みで食事がとれなくなったり、よだれが多くなったりします。手足の発疹は、手のひらや足の裏に1~5mm位の少し盛り上がった水疱(すいほう)が特徴的です。他にも、指の間、肘や膝、お尻に出来る事もあります。

治療はどうするの?
原因になっているウイルスに効く薬はありません。抗生物質は全く無効で、対症療法しかありません。

合併症は?
まれに髄膜炎を起こすことがあります。発熱、頭痛、嘔吐(激しく何度も吐く)の症状がそろったら要注意です。仰向けに寝て、首を曲げようとしても曲がらなくなる症状(項部硬直)もみられます。

保育園、幼稚園、学校はいつから行っていいの?
この病気のウイルスの排泄期間(他の人に感染せせる可能性のある期間)は長いと言われています。のどから1~2週間、便からは3~5週間にわたりウイルスが排泄されます。その間、登校(登園)を禁止するのは現実的に無理があります。日本小児科学会も公式に「本症の発疹期にある患児でも、他への感染のみを理由にして登校(登園)を停止する積極的意味はないと考える。」という見解を出しています。つまり、登校(登園)はOKということです。ただし、熱があったり、口の痛みがひどく食事が摂れないような状態では無理をしない方がよいでしょう。また、園によっては独自の基準を設けているところもありますので、それには従いましょう。

 

 

ヘリウムガスを吸引して意識障害になった事故

日本小児科学会は2015年5月学会雑誌に、今年の1月、12歳のアイドルタレントがテレビ番組の収録中にヘリウム入りのガススプレー缶を吸入して、意識障害に陥り脳空気塞栓症の疑いとなった事例について、事故の詳細やその後の経過を「Injury Alert(傷害情報)」として掲載しました。

学会の子どもの生活環境改善委員会は次のようなコメントを述べています。
コメディアンやタレント、一般人が面白おかしくヘリウムガス入りスプレー缶を使用することで、それを見ている子ども達がまねをして同様な事故が起こる可能性がある。
今回使用されたスプレー缶には「大人用」と表示されているが、幼児、学童に事故が発生していることを、小児科医を中心とした医療者が一般人や企業を啓発することで社会的に周知させる。
缶表面の表示を目立つようにする。成人にしか販売しない

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0053.pdf