病気について 朝起きられないー起立性調節障害について

とにかく朝なかなか起きられないし、やっと起きてもしばらくボーっとしていている。頭やお腹をよく痛がる。このような症状のお子さんはいませんか?これは、小学校高学年くらいから多くなる自律神経失調症の1つである起立性調節障害という病気の可能性があります。この病気は新学期が始まった春先から初夏にかけて発症することが多いのも特徴です。主な症状は立ちくらみですがそのほかの症状としては、朝なかなか起きられない、頭痛、腹痛、イライラする、授業に集中できない等があります。でもこれらの症状は午後には軽快することが多いのも特徴です。

病気のメカニズムはこうです。寝ていた状態から急に立ち上がると、体の血液は重力により下半身に集まろうとします。すると上半身、特に脳を流れる血液が不足し、めまい、つまり立ちくらみが出現します。そうならないように正常な人は、自律神経が働き下半身の血管を収縮させて脳を流れる血液の量を確保しているのですが、その機構がうまく働かない状態がこの病気です。急に体が大きくなってきたのに、その体を調節する自律神経がついていかない状態とも考えられ、大人の体になるための通り道ともいえます。

この病気は成長とともによくなることが多いので、そのまま様子を見てよいことが多いのですが、まずは現在の生活パターンを見直すことから始めましょう。夜寝るのが遅ければ当然十分な睡眠を確保することは出来ません。夜更かしはしていないか?寝る直前までゲームをしたり、インターネットをしていると脳が活性化された状態にあり、深い睡眠がとれません。

生活パターンを改善しても症状がよくならず日常生活や学校生活に支障をきたす場合は、血圧を上げる薬や抗不安薬などを服用することで症状が改善することもあります。

病気について おたふくかぜをあまく見ないでームンプス難聴について

おたふくかぜはムンプスウイルスに感染して耳下腺が腫れる病気です。発熱し、両方あるいは片方の耳下腺が腫れますが、通常1週間から10日ぐらいで治ります。ほとんどの人が合併症なくよくなります。

しかしいくつかの合併症があります。ウイルスが脳に炎症を起こす髄膜炎や膵炎、副睾丸炎などがあります。

今回は最近問題となっているおたふくかぜ後の難聴、ムンプス難聴についてお話します。この難聴は、以前はおたふくかぜに罹った人の1万から2万人に一人くらいの稀なものとされていましたが、最近の調査では3500人に一人くらいとも言われています。難聴はおたふくかぜに罹って7日以内に発症することがほとんどで、片方の耳だけが難聴になることが多いのです。ですから子どもの場合気がつかないで大人になってわかることもあります。子どもの耳元で指をすり合わせて音が聞こえているかを調べる「指すり法」で確認することをお勧めします。

実際に難聴になってしまうと有効な治療法はないというのが現状です。おたふくかぜの予防接種を受けて、おたふくかぜにかからないようにすることが唯一のムンプス難聴の予防策と言えます。

病気について 気管支ぜん息の治療

気管支ぜん息の治療は大きく分けて2種類あります。

具体的には、起きてしまった発作を止める治療と、発作を起こさないようにする治療(予防)です。

予防する治療を行うかどうかは、発作を起こす頻度と発作の重症度によって決めます。年に数回、吸入してすぐによくなる程度の軽い発作を起こす子であれば予防する薬をずっと続ける必要はありません。しかし、発作によって日常生活に支障を来たす、具体的には、学校を休む、夜眠れない、スポーツができない等を月に数回でもあるようであれば予防する治療を開始したほうが良いでしょう。

ぜん息のお子さんの気管支は発作が起こっていない状態でも炎症が続いています。一度発作を起こしてしまうと炎症が強くなりそれを抑えるには時間とさらに多くの薬が必要になります。発作を繰り返すほど気管支が痛んで正常の状態に戻りにくくなるといわれています。予防薬を続けることで発作を抑えられれば、重い喘息になるのを防ぐこともできるし、必要な薬の全体量を減らすこともできます。

予防する薬はアレルギーの反応を抑える飲み薬と、吸入ステロイドという吸入薬があります。