百日咳の報告が増加し問題になっています。乳児が死亡した例も報告されています。
百日咳を予防するワクチンは、五種混合ワクチンです。予防接種のスケジュールでは、接種を生後2ヶ月から開始し、生後4ヶ月には3回目を完了します。ワクチンを3回接種することで、基礎免疫ができます。3回目の接種から1年後に追加接種を行います。これで百日咳に対する抗体はさらに上昇しかかりにくくなります。しかしワクチンによる免疫は徐々に低下し、5~6歳では抗体の保有率は30%以下となります。
百日咳はワクチンを受けていない赤ちゃんがかかるととても重症になり、呼吸ができなくなり死に至る事もあります。ワクチンによって免疫が付く前にかからない様にする為には、学童期や成人の百日咳の流行を抑える必要があります。
日本小児科学会は、学童期の百日咳を予防するために就学前におよびDTⅡ期の時期に三種混合ワクチンを接種することを勧めています。とくに乳児への家族内感染が心配な場合は、4歳以降の接種をお勧めします。
ただし、三種混合ワクチンの接種は任意接種になるため無料で接種はできません。接種料は1回4000円です。接種をご希望の方はお問い合わせください。
尚、就学前の接種は、MRⅡ期との同時接種をお勧めします。また、DTⅡ期(二種混合ワクチン)の時期の接種は、DTⅡ期を受けずに三種混合ワクチンを接種することになります。
今回の百日咳の流行で乳児の感染を防ぐためには、
1)生後2か月を迎えたら速やかに五種混合ワクチンを接種する。
2)乳児のいる家族への三種混合ワクチンの追加接種を行う。
3)妊娠後期の妊婦さんに三種混合ワクチンの接種を行う。この方法は海外で行われている国は多くあります。接種によって赤ちゃんに百日咳の抗体が移行し予防する方法です。ただし日本では接種の安全性は確認されていますが、効果については検証中のようです。